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静謐なる柩。
捏造満載コードギアスの自己満足二次創作サイト。現在休止中。復活は未定。
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碌に返信できてないのにコメントくださる優しい方々が・・・!
有り難う御座います嬉しいですアンケートの方に下さった方々もどうもありがとうございます!
ところでそろそろ朝比奈さんを藤堂さんが追い抜こうとしているんですが(笑)
最終的にどっちが勝つんでしょうね?期限は30日までです。結果が楽しみ!

気分的にシリアス系統な感じなのでElysionのお題続きアップしました。
キャラ・話捏造はいつものことです。
今回はミレイのターンではありません。それは次回。
とりあえずミレイが騎士になるまではかなりノリノリで書けそうですふふふ楽しい。

今回はともかく、特に次回、いろいろ捏造設定&能力ぶちこみますからお覚悟を!
それでは続きからどうぞー!


ミレイが休み始めて一体何日が経っただろうか。とスザクはぼんやり考えた。
と、言ってもあの出来事があってから、スザクは出来る限り政庁や特派の方へ詰め、殆ど学園には顔を出してはいない。
ごくたまに恐る恐る、といった具合で生徒会室に顔を出したとしても、帰ってくるのは不在だというリヴァルの気落ちした声。心配ではあったが、心のどこかで安堵していた。

(そうだよ。僕は、間違っていないんだから)

目の前には敬愛するユーフェミア皇女殿下。真っ白で、綺麗で優しいユフィ。
ユーフェミアの傍にいるとき、スザクはあの憎悪に満ちたミレイの目を忘れられる。あの怨嗟の声を忘れられる。
休憩にしましょうと言って、自分の分までお菓子や紅茶を用意させ、一緒にティータイムに誘ってくれる主は、なんだかとても眩しく見えた。

「スザクってば、ぼんやりして。どうかしたの?」
「ううん、何でもないよユフィ。それにしても、行政特区、素晴らしい政策だよね」

紅茶を手に取りながら、スザクは心からそう告げた。テロや反逆なんてルールに反する手段ではなく、正しい手段で取り戻すことが出来る『日本』。本当に、素晴らしいとスザクは思うのだ。

「うふふ、ありがとうスザク!嬉しいわ。日本人の皆さんも、喜んでくれるかしら。いえ、日本人であるスザクが喜んでいるんだもの。きっと喜んでくれるわよね」
「もちろんだよ!黒の騎士団だってテロなんて愚かなことだと悟って、このエリアも平和になると思うよ!」
「そうよね……きっと、『ゼロ』は協力してくれるはず…だって」

スザクの言葉を受けてますます嬉しそうな様子を見せたユーフェミアはなにかを呟いた。残念ながらスザクには聞き取れなかったが。

「ユフィ?何か言った?」
「いいえ、何でもないの。これで、ルルーシュもナナリーも、喜んでくれると嬉しいわ。昔にみたいに一緒にいられるんですもの」
「え」

ミレイに言われた言葉が頭を過ぎる。
どうして、ユフィがそのことを知って。

「スザク?」
「え、あ、いや。ユフィ、君はいつから2人のことを知って…?」
「学園祭にスザクを見に行ったときに会ったの。スザクと友達なんですって?もう、教えてくれればよかったのに!」

ユーフェミアはぷうっと頬を膨らませる。その様子を見てスザクは慌てた。

「ご、ごめん!ルルーシュ達に言わないでくれって言われてたから…」
「ふふふ、嘘よ。ちゃんと分かってるわ。私も言われたから。でも…」

困ったように微笑んで、ユーフェミアは続けた。

「ルルーシュ達は放って置いてほしいって言っていたけど、私、やっぱりそんなことしたくなくて。私に出来ることはないか考えて、特区のことを思いついたの。あれなら、きっと皆幸せになれるって思って。シュナイゼルお兄様も褒めてくださったし」

照れくさそうに笑うユーフェミアにスザクは一瞬見蕩れた。
そしてじわじわの胸の置くからあたたかいものが溢れる。
ああ、やっぱり僕は間違っていない。こんな素晴らしい彼女と共に進む道が、間違っているはずがない!
今ならきっとミレイにだって胸を張って言えるだろう。もはやスザクにはそうすることに迷いは無かった。

「私はね、自分だけ幸せなんて嫌だから。やっぱり大切な人たちと、みんなで一緒に幸せになりたいじゃない?そうじゃないと、私は幸せになんかなれないわ。だから…」
「ユフィ…君は、とても優しいんだね」
「やだ、そんなことないわ!スザクだって優しいでしょう?」

お互いに笑みを浮かべてくすくすと笑いあう。
2人には全てが希望に見えた。未来には成功が待っていると信じられた。

 

―――その騎士はすでに『日本人』ではなく『名誉ブリタニア人』であり、
―――ルルーシュ達の言葉が心から『箱庭』を大切に思っている故のものだったことなど、2人は考えもしなかった。

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * *

どれも上等な品物、とまではいかないがそこそこの設備が整っている、とある部屋。
そこはゲットーのある廃墟を密かにリフォームして作られた、そのうちルルーシュが騎士団の拠点、もしくは中継点の1つとして使おうと思っていた場所だった。
外から見ればそうそう人が住むような場所とは思えないが、意外にも居心地は悪くない。
それなりに快適に生活できるそこには、ベッドに座り、窓から外の“なにか”を見ている少女と、傍らに控える一人のメイドがいた。

「あ…」
「どうかしましたか?ナナリー様」
「ふふ。とっても嬉しいお知らせですよ、咲世子さん。今、すごく素敵な未来線が見えたんです」
「まあ。どのような、と伺っても宜しいですか?」
「ええ、もちろんです!あのですね、」

つい最近まで真っ暗だった視界には、全てが綺麗とは言えないけれど、全てに優しいとは言えないけれど、それでもナナリーにとって「やさしいせかい」が鮮やかに映る。
真綿のように、柔らかにナナリーを包む愛を惜しみなく注いでくれるお兄様。
ナナリーの『騎士』となり、傍にいてくれる咲世子さん。

それだけでも十分幸せだった。大切な人たちといられるというだけでも、素敵だったというのに!

「ミレイさんと、カレンさんのね、未来線が繋がったんです!お兄様と!」

本当に嬉しそうに、野に咲く菫のように可憐にナナリーは笑った。

なんて、なんて素敵なことだろう!C.C.さんだけではなく、本当の意味でお兄様を護ってくれようとする人が現れるなんて。
しかも、2人はナナリーとルルーシュが愛した『
箱庭(らくえん)』の住人だ
絶対の信頼を与えても構わないと思える、ナナリーが描く『やさしいせかい』に相応しい人たちだ。

嬉しそうなナナリーの様子に、咲世子の表情も綻んだ。

「そうですか…ミレイ様が。ふふふ、これから楽しくなりそうですね」
「はい!またお会いするのがとても楽しみ…あら?これは…まだ、もう1人……?誰でしょうか、それに、他にも何人か。まだ繋がりはしませんけど、方向が同じ…それに、すごくお兄様の未来線に近い…」

ナナリーは不思議そうに首を傾げてはいても、それでもルルーシュと共に歩んでくれる人がいると知って、喜びは隠し切れていない。
咲世子もまた、嬉しかった。この優しい兄妹の理解者が増えることは、喜ばしいこと以外の何物でもない。

「あらまあ。なんだか予想以上に賑やかになりそうですねえ」
「そうですね。―――――ねえ、咲世子さん」
「なんでしょう?」

1度目を閉じ、瞳の色を緋から本来の薄紫に戻して、ナナリーは咲世子を見つめた。

3112の答え、分かりますか?」
「さんひくいちたす…?ええと、…1、でしょうか」
「はい、そうです。1です」

何故そんなことを?ときょとんとしている咲世子に向かって、ナナリーは笑みを浮かべた。

「まず、お兄様がゼロになって、スザクさんに私を任せて一人で行こうとしました」

あの懐かしい夏の日の3人から、ルルーシュの姿が遠ざかる。

唐突に言い始めたナナリーに咲世子は目を丸くしたものの、黙って話に耳を傾けていた。

「それから私とスザクさん、2人でいたところに、…いえ、スザクさんの世界にユフィお姉様が加わって、スザクさんのこと、私の手が届かない場所まで連れて行ってしまいました」

そして、箱庭に作られた『やさしいせかい』に罅が入った。

奪われた、と言うつもりはない。いつだって優しい姉はナナリーにも自分の宝物を分け与えてくれる。しかし、同時にナナリーにも同じことを求める。

そう、考え方を変えれば、ユーフェミアはいつだってナナリーが大切なものを独り占めするのを許してはくれない。
自分の幸せを分け与えることを惜しみはしないが、逆に相手からも与えられて当たり前なのだ。
そう、『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア』にしろ、『枢木スザク』にしろ、『特区日本』にしろ。

ナナリーがルルーシュに甘えるのを邪魔したりはしないが、お嫁さん役は絶対に譲ってくれなかった。
例えナナリーがスザクと共に居ても何も言わないだろうが、スザクは“ユーフェミアのもの”になった。
特区だってそうだ。もし成功したならば、日本人達に誇りや希望を与える代わりに、彼女は『ゼロ』を手に入れる!七年前からナナリーが独り占めしてきた優しくて美しい兄を、公然と傍に置くことができる!

ユーフェミアはやさしくてとてもキレイだけれど、それ故に『お飾り』であることは周知の事実でもある。せいぜい福祉事業、といっても孤児院の訪問や慰問などしかやったことのない彼女が、こんな大層な政策を実行できるはずがない。しかし特区の代表者はユーフェミアだ。コーネリアには手出しが出来ない。辛うじて仕事のできる部下を貸し与えるくらいか。しかしそれでもできることなど高が知れている。
ならば、もし『ゼロ』が協力することになったとしたら。『ゼロ』以外の誰が、ユーフェミアがやるべきことの代わりを務められるというのか!

本人はそんなつもりじゃないと言うかもしれない、けれど、実際ナナリーからルルーシュを奪いかけたのは事実。
だからナナリーは契約した。そして自らの緋い瞳に映る兄と義姉の未来線が交じりかけているのに戦慄し、恐怖した。
だから実は兄にはああ言ったものの、逆に『特区宣言』のときには納得すらしたのだ。
「ああ、こうして奪うつもりだったのか」と。
しかし未来は変わった。ナナリーが兄と共に行くと言ってから、交じりかけた未来線は完全に別たれた。同時に他にもたくさん兄と繋がっていた未来線が離れてしまったのは少し心配だったが、それでも少なくとも今は。

さん ひく いち たす いち ひく に 。

堕ちた信頼(かじつ)、転がる音。余剰な数字、引かれる音。
声には出さずに呟かれた計算式。咲世子は黙って微笑んでいる。ナナリーもやがて笑顔を浮かべた。
そう。もはやそれは、“あったかもしれない未来”の話。
今はナナリーにも、ルルーシュにも、関係のない話だった。

 

さあ、あの主従が望むとおりに黒の騎士団(かれら)が消え去った後、破綻した箱庭(こうや)に1人取り残されてしまいかねなかったのは誰?)

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連続更新!
嬉しいです!
相変わらず浅はかな主従に呆れますが、ルルーシュとミレイとカレンの線が繋がるということに安心しました。
ホントこの兄妹には幸せになって欲しいです。
離れてしまった未来線というのも気になりますが、あれもこれもと欲張ったら誰かさんたちの二の舞ですもんね!
SHだけに(しかもElysion)まだまだ油断できませんが、今の所二人に優しい方向に向かってるようなので安心して次を待ちたいと思います。
ありがとうございました。
さゆま 2008/07/26(Sat)22:12:33 編集
無題
>テロなんて愚かなことだと悟って
・・・まあ、皇帝と1さんの「戦争なんて非効率的な外交手段」という視点からすれば愚かといえるんでしょうけど、外交の前提である「日本」がありませんからね
ところでスザク、兄妹出てった事は言わないのか?ってひょっとして戻ってこないのに気付いてない?

やっぱりナナリーの騎士はスザクよりも咲世子さんですよねえ。個人的にルルーシュが咲世子さんに頼まなかったのは、日本人に征服者ブリタニアの制度は不味いと思ったからでしょうか?同じ名誉でもスザクは軍人までなってますし

>兄と義姉の未来線が交じりかけているのに
まあ本編では君らそのまま別れたしね
って完全にとぎれたのか・・・うーむ今後が気になる

ネモつくられてるからバトレーさんたちの技術も多少原作より進んでて理性持ってるメカオレンジも合流になりません?(笑)
あれ?そういえばCCのコード取られたらネモってどうなるんだ?

この話(の時点)で一番可哀想なのルルーシュにも会長にも会えないリヴァルじゃないかなあ
あ、アーサーは生徒会ですか?
無名祭祀者 2008/07/27(Sun)01:11:15 編集
着々と・・・
物語が進んで行きますね。こんばんは、イザヤです。
今回はミレイさんではなく、ナナリーが出てきましたね。前半に白主従。2人は放っておいて、と言ったのに、私は…というユーフェミアには呆れてしまいます。それに賛同するスザクにも。
>その騎士はすでに『日本人』ではなく『名誉ブリタニア人』であり
そうですよね、あの男はもうにほんじんではない、しかも「行政特区」は与えられるものであって独立でない。日本人が望んだ形ではないんですよね~。あー愚かなり。
ナナリーのターン。未来線を読むギアス。繋がった線と繋がりかけている線と離れていった線。あの人かな、と想像してみたり。しかし、離れてしまったたくさんの線・・・気になりますね。なにしろたくさん。
「1人取り残されてしまいかねなかった」。しまったではなく、しまいかねなかた。気になる言い回し・・・次回が楽しみです。彩霞さまの綴る文章は丁寧な描写でいつも引き込まれてしまいます。
素敵な物語、ありがとうございました。
イザヤ 2008/07/27(Sun)02:26:27 編集
ブラコン☆ナナリーも素敵ですvvv
愛らしく黒い(もしくは灰色な)ナナちゃんが素敵です!
変わってしまった未来、ルルーシュから離れていってしまった未来線。けれど、ナナちゃんと共に在る未来のほうがより素敵で無敵な未来線が存在すると確信しております!!
大切な人が傍に居る。それだけで人は強くなれるもの!ルルちゃんにとってのナナちゃん、ナナちゃんにとってのお兄様、ミレイさんにとってのルルーシュ様。たくさんの細い繋がりより、強く確かな絆の方が素敵です!

ユフィは嫌いではないのですが、やはり綺麗な世界しか知らないお姫様なんですよね。綺麗な世界から下を見て手を差し伸べる人。本人は善意でやっている事でも人によっては何よりの屈辱を与える事になるということを理解出来ない人。姉君から与えられた綺麗な世界で理想ばかりを見てきたお姫様。きっと彼女は姉君がナイトメアに乗る=人を殺す、ということすら本当の意味で理解していないのでしょう。人が死ぬという実感を体験した事がないから本当の意味での『死』が分からない。だから彼女はスザクの罪すら理解しないまま許せたのだと思います。ある意味とっても残酷な人ですよね。
スザクも失ってからでは遅いというのに本当の自分を唯一受け止めてくれた存在に気づこうとしないとは・・・。ここまで自分中心で己を守ることしかしない人だと怒りを通り越して呆れます。もう勝手にしていいからルルちゃんたちの優しい世界に干渉しないでっ!と言いたくなります。
う~ん、ルルーシュ至上なものですからどうしてもスザクへの評価が厳しくなります・・・。ミレイさんっ+ルルちゃんを愛する皆さんっ!!スザクに現実をおしえてやって!

やたらと長々と書き込んでしまいましたが、色々書けて少しスッキリしました(笑)。お忙しいところすみません;
彩霞様も色々と大変でしょうが頑張って下さいね!(でも息抜きは必要不可欠ですので程ほどに頑張って下さい!)

では、素敵なお話をありがとうございました!
砂貴 2008/07/27(Sun)16:32:49 編集
=ナナリー?
取り残されて~と、3-1+~って、ナナリーの事ですかね?
3(ルルナナスザ)-1(ルル)+1(ユフィ)-2(スザユフィ)=1(ナナリー)
なわけですから。
この計算式は本編ルートでのナナリーの事だと考えると、取り残されるのはナナリー。
で、未来が変わったから、取り残され“かねなかった”と。
つまりはナナリーから無自覚なユフィに対する皮肉だったのでは、というのが私見です(「私たちを思ってしたことが、結局私を孤独にするんですよ」とか)。
さて、次話(エルの天秤)はいったいどんな話になるのか。
楽しみに待たせて頂きますね。
2008/07/28(Mon)11:20:25 編集
無題
ミレイさん、カレンとルルーシュを守る人達がいて喜ばしいことだと思います。
しかし、そうなると今、ひとり箱庭(こうや)に残されているリヴァルが心配です。彼もまた、悪友としてルルーシュを支えてきたひとりですから・・・・・・。
鵯杜 2008/07/29(Tue)18:57:51 編集
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