１４からの派生…？

スザクが酷い話。もち捏造です。カレンが可哀相すぎるorz
ネタ提供は我が友である樹ですが、種運命のステラな感じと言われても見てないからフィーリングでしか分からなかったという。

「カレン、また百点とったの？すごいわねえ」
「おお！じゃあ母さん、もしかして今日はいつもの？」
「ええそうよ。カレンの大好きなハンバーグ。目玉焼きを乗せた、ね」
「ん、じゃあ要も呼ぶか？せっかくカレンが頑張ったんだしな」

学校から帰ってきて、見せたテストの答案用紙。
それを見て、褒めて、頭をなででくれるお母さんとお兄ちゃん。
たまにご褒美に作ってくれる、大好きなお母さんのハンバーグを家族と、たまに扇さんも一緒に。皆で頬張って、笑う。

なんて。なんてそれは幸せな――――

唐突にぶつりとテレビの電源が落ちるように、
切り替わる意識とともに、
うつしだされたのはとりまくむきしつなへやと、
みとめた　く　ない　げ　ん　　じ　つ　　　で　　。

「い、や…嫌あああああぁぁぁぁぁあああっ！！！」

嫌なの、嫌なの、なんで、違う。死んでない死んでない死んでないお兄ちゃんはまだ生きてお母さんだってアンナモノに手を出してなんか！！！！
だっていたもの今さっきまでそうさっきまで私のすぐ傍にいてすごいねカレンって笑ってそうよ笑っていたのよ皆で幸せに暮らして！
イレブンなんかじゃ、ブリタニア人なんかじゃないの。私たちは日本人で、人を殺すことなんて遠い世界の話で、平和に笑っていて、そして私は大きくなったら。

ゆめがみたいの。しあわせなゆめ。いまはもうかなわないなつかしいひを。

ただそれだけしか考えられない。だって現実はこんなに苦しい。夢を見ている間はいい。
けれど、それが終わった途端に体を蝕む不安と苦痛と不快感と。とてもじゃないが、耐え切れなかった。

だからカレンは苦しみから逃れたい一心で、その唯一の手段を持つ目の前の男（なまえは、もう、おもいだせない）が差し出す薬を求めるのだ。

「いいかい？カレン、君はこの機体に乗ってゼロを殺すんだ。それができたら、もっとリフレインをあげるよ」
「わかった、わかったから！殺すから！はやくそれを！！はやく、お兄ちゃんに会わせて……っ」
「…いいだろう。その言葉、忘れないようにね。これ以上の悲劇を止めるために、必要なことなんだ」
「そんなことどうでもいいの！だから、はやく……！」

溜息をついて、男はカレンにそれを渡した。
他の何にも目をくれることなく、リフレインに手を伸ばすカレン。その様子に背を向けて、男はぽつりと呟いた。

「……ルルーシュがゼロだって確信は得られなかった、か。でも、カレンの“裏切り”でゼロと騎士団は動揺するはず」

ちらりとカレンを一瞥して、再び顔を戻す。これは必要なことなんだ、と呟いて。

「あの様子だと、こちら側から離れることは無理かな。例え騎士団に連れ戻されてもしばらくは戦力外だろうし」

最初は酷く抵抗していたが、思った以上にリフレインの効能は強いらしく、徐々に量を増やしていけばカレンの人格はあっという間に失われた。
意思も、誇りも、もうあの状態では碌に残ってはいまい。今のカレンはリフレイン欲しさになんでもやる、ただの奴隷だ。

「…テロリストになんか、なるから」

ぽつりと零した言葉は、過去の夢に浸るカレンには届くことはないだろう。
それを知っていた男は――枢木スザクは、そのままその場所から立ち去った。

「ころせば、ころせば…もっと、もらえる。そう…『ゼロ』を、」

忘れてはいけない。でも、今はまだ、ゆめのなかに。
しかし何故だろう。リフレインを手に取ったときさえ、言われた『ゼロ』という名前は、何故か未だにカレンの胸の中から消えることはない。

だれ、だったかな。とても、とてもたいせつだったきがするのに。

考えながらも、手は止めなかった。心地よい安堵感が、カレンの中に満ちていく。
そうして再び失われた幻想に堕ちていく最中、脳裏に一瞬だけ黒と紫の色彩を纏う少年の姿が映った。

あなたは、

 

（そしてその“だれか”になまえをよばれたきがした）
（それがとてもうれしかったとおもうのに、わたしは）