暗殺者設定で小話。

書きたいところだけ殴り書きした感じ。
全体的にかなり中途半端です。

スザクにゼロバレしたときの話。時間軸は謎。

「どうして、君は・・・君は、あの学園で、平和に暮らしていたじゃないか！！！
　何処にゼロになる必要なんかあったっていうんだ！？」
「……平和、だと？」

「―――馬鹿馬鹿しい」

彼は、そう言って嘲笑を浮かべた。

「お前は、本当にここが安全な場所だと思っていたのか？
　もしそうなら、お前の目は節穴だな。ユーフェミア殿下の筆頭騎士殿？」

「なに、を・・・」

「ナナリーは常に監視され、同時に人質に取られている。俺が逆らわないように。逃げられないように。
　人間関係は最低限、常に“無害”な人物を演じ壁を作りつつ相対することを原則とする。
　何に対しても“本気”を出すのは禁止、何かの“記録”に残るのも目立つのも禁止。
　己の意思は無いものとし、『指令』には絶対服従。“感情”は一切必要ない。任務は撤回されない限り絶対遂行が義務となる。
　―――なあ、これの何処が自由なんだ？」

「君は、何を言って・・・！？」

「―――アッシュフォードが造った箱庭は最初から砂上の楼閣でしかなかった。
　張りぼての箱庭ではナナリーは守れなかった。…護り、きれなかった。
　だからこそ俺は契約を果たす義務を怠るわけにはいかない。
　ナナリーを守るためには、生かすためには、“ルルーシュ・ランペルージ”は“あいつら”に逆らうわけにはいかない」

「お前は言ったな？『変えたいなら警察や軍に入ればいいのに』と。
　俺にそんなことできると思うのか？全てを偽りで固めた俺たちが、表に堂々と出て行けると？」

「お前はゼロは間違っていると言った。だかな、俺にとっては違う。
　“ゼロ”は“優しい世界”のために人を殺す。“ルルーシュ・ランペルージ”は“ナナリー”のために人を殺す。
　―――どちらも犠牲にした命の数は大差ないんだ。
　ならばむしろ、『現状維持』のために、たった一人の少女のためだけに老若男女関係なく殺す“ルルーシュ”の方が悪だろう」

「知っていたか？スザク」

そしてルルーシュは笑ってみせた。
綺麗に、とても綺麗に―――今にも脆く崩れ去りそうなほど、儚く。

「“ゼロ”になるずっと前から―――俺の手は血塗れなんだよ」

　わかって、いた。

　俺にはあの時から―――大切なモノを作ることなんて、許されていない。
　それでいい。そのことを後悔してなんかいない。だってナナリーを護るにはああするしかなかったのだから。

　過程なんてどうでもいい。理想なんて捨ててしまえ。確実ならどんな手でも使えばいい。

　求めるのは、結果。

　“ナナリーが生きている”という、確固とした現実。ただそれだけだ。

 

「…俺たちがアッシュフォードに正式に『保護』されたのは５年前だ。
　そのエリアに変わったばかりの『日本』で、誰の庇護も得られなった２年間で、俺は“ルルーシュ・ランペルージ”を作った。
　お前には分からないだろう？
　あの子が安心できる、満足な食事を、住居を、医療設備を、待遇を、日常を用意するために俺がどれだけ苦労したか。
　今、それを維持するためにどれだけ必死になっているか。
　分からないよな？分かるはずがない。分かっていたら―――分かっていたなら！お前は騎士になんてなるはずがない！！！」

「！？」

「お前が騎士になったことで俺たちがどれだけ危険に、恐怖に晒されると思っている！？
　唯でさえ脆かった箱庭は完全に崩れ去った！！どうしてそれが分からない！？」

「何が守るだ、お前こそが誰よりも俺たちを追い詰めているというのに！」