小話。

やりたいほーだいやりました(笑）
なんぞこれ。皇帝が親馬鹿、というよりブリタニアみんな馬鹿。
ルルが苦労性なのはうちのデフォルト。愛故に！

Ｒ２のＴＵＲＮ５の派生、無駄に卜部さんは生存です。
･･･多分派生なんてシロモノでもないですね。明らかに別物！

あ、ちなみにギャグです。ギャグ以外の何者でもないです！
終わり方微妙ですけど、それでもよろしければどうぞー

「だからといって、お前は一体何をしていた！？一年前のあの時もそうだが、私達が拘束されていた今までの一年間、何を！！お前がいたなら１年もかけずとも、私達を助けることくらい…っ」

千葉の言葉に、それまでいくら責められようと平然としていたゼロの動きが、止まった。
ついでにゼロを奪還した団員たちの動きも止まった。

「今まで、だと……？」

･･･密かにC.C.やカレン、卜部を筆頭とした奪還組は顔を見合わせ、真剣な顔で頷き合う。
千葉は、触れてはならないところに触れてしまった。
ならばゼロがするであろう次の行動は――――

「ふ、ふふ…くくく、あはははははははははははははははっ！」

どこか狂ったように。
急に笑い出したゼロに、救出された団員達はざわめきだした。
―――その笑い声には、嘲るような響きがあったから。

不安が広がる中、千葉は笑い出したゼロを睨みつけた。

「貴様、馬鹿にして……！」
「ははははははははは…………死のう」
『っ！？』

待て待て待て何でそうなるっ！？
いきなりどこか遠くを見て「ふふ…母上、今そちらに参ります…」とか言い出したゼロに皆焦る。

だが、多分こうなるだろうと思っていた奪還組の動きは速かった。

「だ・か・ら！折角頑張って貴方を取り返した私達の努力を無に還すつもりなの！？駄目って言ってるでしょ！」
「カレン、だが、だって私は、私は……！」

いつのまにかゼロの傍には奪還組が勢ぞろい。
多分自殺しようと行動したらすぐさま止められる距離だ。ちょっと安心。

それにしても、なんかゼロの声が今にも泣きそうに聞こえるのは気のせいだろうか。

「記憶を改竄されただけならまだしも、アレを…あのロールケーキ頭を『パパ』なんて呼んでいたんだぞ！？アレを！あの忌々しいバッハを！
もうやだ、ホント死なせてくれ！俺はこれ以上生き恥を晒したくはない……！」

思わず救出された団員達はあんぐりと口を開けたまま硬直した。あの藤堂も、仙波もだ。
何してたんだゼロ。何考えてるんだ皇帝っ！？

奪還組はもう聞いていたのか、特に動揺することなくバックに暗雲を背負ったゼロを慰めている。
いや、確かに嫌だけど。ある意味自分達のように拘束されるより嫌だろうけど。
でもそれにしてもそれで自殺を図るほど皇帝嫌いなのかゼロ。

「一体何がしたいのか知らんが『パパ大好きｖ』とか『大きくなったらパパのお嫁さんになりたいｖ』とか娘持ちの父親が言わせるようなことをさんざん…っあああ思い出しただけでも吐き気がする……！」

う　　わ　　あ　　。

幾分かゼロを見る目に同情が混じり始めた。そっかーお前も苦労してたんだなー。
……なんだソレと思わなくもないが、ゼロの気持ちは分からなくも無い。確かにそんなこと言わされたら気持ち悪い。いろんな意味で。

「しかもなんか飼育日記とかつけられてるし！なんか少し血がついてたのもアレだが、人の行動事細かに書いてあるし、写真も何気に大量にあったし、いちいちコメントが気色悪いし！『ルルたんモエ』とかなんなんだ一体！？それに家に帰ったらどれだけ監視カメラがあると思ってるんだ！！？碌に休めもしないんだぞ！？着替えも風呂も寝顔もばっちり見られてしかもなんか気持ち悪い観察日記を２４時間体制で毎日毎日つけられる私の苦しみがお前達に分かるのか！？」

ホントに何されてんだゼローーーーー！？
つーか何してるんだブリタニアっ！！？

なんだか監視とか飼育日記とかモエとかいろいろとヤバい単語が！てか血ってまさか…！？

ゼロはどうやら自分達の予想以上に苦労してたらしい。責めるのはお門違いだと救出されたメンバーは理解しつつあった。
でも監視よく撒けたなゼロ。そっか、頑張って助けに来てくれたんだな。ぽつりと誰かが呟いて、そっか、そうだよなと同意の声が上がる。

…ゼロの知らないところで信頼が回復しつつあった。オプションの生暖かい視線はなかったことにする。むしろ本人それどころじゃないし。

そして自己嫌悪に陥っているゼロに、カレンとC.C.から押された卜部が、申し訳なさそうに声をかけた。

「……あのな、ゼロ…非常に言いづらいんだが」
「…………聞きたくないことこの上ないが、何だ卜部」
「その『飼育日記』とやらだが、ブログで公開されてる上になんか書籍化してベストセラーに……ってオイしっかりしろっ！？」

ふらりと失神しかけたゼロを誰も責めることはできまい。
ベストセラーってなんだベストセラーって。プライバシーは何処へいった。

慌ててゼロを支えるカレンの傍で、C.C.はニヤニヤ笑って言った。

「おかげでお前の生活の様子は手に取るように分かったぞ。こちらとしてはなかなか行動しやすかった」
「だったらもっと早く動けC.C.！！！」
「私はC.C.だからな」
「理由になってないと何度言ったら分かるんだお前は！」
「いや、なかなか面白かったぞ。なんせ世界を震撼させる謎の仮面のテロリスト『ゼロ』が今やブリタニアのアイドル『ルルたん』。誰もがびっくりの二面性だな。流石だ」
「待て、アイドルってなんだアイドルって！？俺は一切そういう活動をしたことは…」
「だから、ブログで公開されてたんだと言っただろう。画像付きだったから、見たもの全員老若男女関係無くお前の虜だ。お前の顔はただでさ反則モノなのに、記憶喪失の間は多少性格変えられてたしな。いやあホント凄まじかったぞお前の人気。おかげで一年間我々は餓えることはなかった」
「……ちょっとまて、まさか」
「もちろんお前の写真を売り払ったに決まってるだろう？特に猫祭りと男女逆転祭りのモノはケタが違ったな。
おかげで心行くまでピザが食べられた」
「しぃつぅーーーーーーっ！！？」

悲痛な叫びをあげてゼロはとうとうへたり込み、めそめそ泣き出した。味方は何処だ。
その姿に庇護欲がそそられ、思わず胸がきゅんとときめいたものが大多数。仮面なのになんだこの愛くるしさ！
C.C.が「あー…記憶喪失の影響が残って行動が幼くなってるのか、どおりで」と呟いた。アイドルの名はどうやら伊達じゃないようだ。

「あれ、…ってことはもしかして、卜部さんゼロの顔…」
「知ってるぞ。…つーか会話の中でもはやバレバレだろ」

おそるおそる呟いた朝比奈にあっさりと返される返答。

「ネットで検索すれば一発で出ますよ。ええ、ホントに。『ルルたん』で」
「しかも検索ヒット数ものすごいよな」
「……いえ、内容見てて気持ち分からなくはなかったんですけど。あの顔だし…でも、その」
「ああ、なんというかだな」

こうして目の前で羞恥のあまり何度も思わず自殺しようとするゼロことルルーシュを見ていると流石に哀れになってくるというか。
実はバベルタワーの方で記憶が戻った後、ルルーシュの第一声は蒼白な顔での「死なせてください」だった。
………目が本気だった。いやあ、止めるの大変だった。

「そんなわけで苦労したんで、あんまりゼロいじめないで下さい」
「いじ…………わ、わかった。すまない」

そんな感じで和解したゼロと騎士団メンバー。

後日出た戦場で、ブログの作成者がシュナイゼルだと分かったり、ついでにゼロが誰だかバレたり、そしたらブリタニア人のほとんどが騎士団への入団を希望したりした。

…そして世界は平和になりましたとさ！めでたしめでたし！
（ナナリーが行方不明ですいません）（･･･え、７番？誰ですかソレ）