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静謐なる柩。
捏造満載コードギアスの自己満足二次創作サイト。現在休止中。復活は未定。
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藤ルルでゼロバレです!と自信を持って言えないのが悲しいです。
どちらかというと藤+ルルのような気が。

ラブラブ(死語)って難しいですね。
書くことができる皆様を尊敬しますよ・・・(汗

相変わらず捏造満載ですが、よろしければどうぞ。


母は、いつも優しくて、凛としていて、憧れで。
そんな母が歌ってくれる子守唄が、大好きだった。
その歌の中で、ひとつだけ異国の調べがあって。
言葉の意味は分からなかったけど、何故かその歌が一番好きで。

『母上、この歌の歌詞はどういう意味ですか?』
『ああ、この歌はね―――』


Song of oath


黒の騎士団アジト。
幹部がいつも使っているその部屋は、何故か妙な沈黙に包まれていた。
原因は誰の目にも明白だった。
今はソファの上でゴロゴロしているゼロの愛人だという噂もある謎の女C.C.。
彼女が、寝転がりながらも歌を歌っていたのだ。

(に、似合わない…!)

これがこの場にいた幹部メンバーの感想である。ひどい。
曰く、
「いや、別に外見的には似合っていないわけじゃないんだが…なあ?」
「性格からして歌とか歌いそうにないわよね…」
「合唱とかでも一人だけ口パクしてそうだよな」

…いつもの傍若無人っぷりがよくわかる瞬間だった。
しかもその歌が結構上手かったりしたものだから、声を出すのも悪いような気がして、最終的に誰もが口を噤んだのだが、
C.C.の性格と歌のミスマッチさに思わず周りのメンバーと顔を見合わせてしまうのが現状である。

聞いたことの無い、ブリタニア語でも、日本語でもない歌詞。
どこか切なくて、でも凛としている、不思議な旋律。

ディートハルトがいたら調べたかもしれないが、奴は今日はこちらには顔を出せないそうなので、詳しいことは分からないが。
その美しい旋律に誰もが耳を傾ける。
――― 一人だけ思わず眉を顰めたものがいたが、それには誰も気付くことはなく。
そしてC.C.が歌い終わるまで、その妙な沈黙は続いたのだった。

「…ん?なんだ、お前ら妙に静かだと思ったら。なんだ?私の歌に聞き惚れてでもいたのか?」

そう言ってにやりと笑うC.C.に(やっぱり似合わない!!)思う幹部一同。

「そんなんじゃないわよ!っていうかC.C.、何よその歌。何語なの?」
「さあ、知らんな」
「知らないって…どういうことよ?」

カレンの問いにどうでもよさそうにC.C.は答えた。

「活動のたびにアイツが歌っていたから覚えただけだ。歌詞になんて興味は無かったからな、知らん」
「……アイツ、って」
「ゼロだ」

時が、止まった。

「え、ちょ。歌って…ゼロがぁ!?」
「なんだソレ似合わないにも程があんだろ!?」
「あらぁ、私はちょっと聞いてみたいけどぉ?興味あるわ~ゼロの歌」
「ゼロの歌、ゼロの…!き、聞いてみたい…っ///」

大混乱である。
そんな中、興味を失ったのか、C.C.は部屋を出て行った。

C.C.が去った後もさっきの爆弾発言についての話題はなかなか尽きない。
その場にいた四聖剣もゼロとさっきの歌について語り合った。

「ゼロが歌ねえ…なんというか、だな」
「似合わない、とはっきり言えばいいのでは?」
「いや、仮にもリーダーにそんな事を言うのはどうかと思うが」
「別にいいと俺は思うけどなー。ね、藤堂さ……あれ?」

いつのまにか、藤堂も姿を消していた。


*  *  *  *  *  *  *  *

「ゼロ、少しいいか」
「?構わないが、どうした藤堂」

藤堂はゼロの部屋に来ていた。
ゼロに「入れ」と促されるままに部屋の中へと入り、向き合う。

「さて、何の用だ?お前が来るくらいだ、それなりの事だとは思うが」
「君の…」

一拍。それだけの間を空けて、慎重に言葉を紡ぐ。

「君が誰だか、多分俺には分かったと思う」
「……っ!?」

ゼロがひゅ、と息を呑んだ音が聞こえた。かと思うと次の瞬間にはいつも通りの悠然としたゼロの姿がある。

「ほう?面白いことを言うな。何を根拠にそんな事を?」
「歌だ」
「…歌、だと?」
「C.C.が歌っていた。ゼロが歌っていたという『歌』を。そして俺は7年前、あの歌を聴いたことがある」
「たかが歌だ。誰が知っていてもおかしくないだろう?」
「いや、彼のいうことが正しければ、あれを歌えるのは彼だけだ。
 もしかしたら彼の妹も歌えるかもしれないが、彼女は足も目も不自由だから、『ゼロ』にはなりえない。
 彼の…いや、君の母親が作ったというあの歌を歌えるのは……そうだろう?ルルーシュ君」

七年前、近所の子供達に殴られて、蹲っていた子供。
せめて手当てをと思い近づいた時に歌っていた歌。
何の歌なのか聞くと、母が作った歌なのだと、悲しそうに告げたことを藤堂は覚えていた。

数拍の沈黙。
それを破ったのは、ゼロの溜息だった。

「まさか、そんなことを覚えているとはな…」

カシャ、と仮面を外す音がする。
外された仮面の下にあったのは、7年前の面影を強く遺し、美しく成長した『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア』の顔。
そしてルルーシュは軽く肩をすくめて、ひどく冷めた視線で藤堂を見据えた。

「降参ですよ、藤堂さん。それで、どうします?団員達にバラしますか?俺が、皇族がゼロだと」
「…そういうつもりはない」
「ではどうすると?……貴方には悪いですが」

わすれてもらうぞ、そのきおく。

呟いたゼロの声は藤堂には届かなかったが、このままいけばなにか取り返しのつかないことになりそうなことは分かった。

「だから、俺は君の事をバラしたり、そういうことをするつもりはない!
 むしろ君がゼロで納得した。これからも君がゼロであることに異存は無い」
「……どうして、」

信じられない。ルルーシュの表情はそう物語っていた。
それを見て藤堂は悲しくなった。

まだ、子供なのに。親の庇護を受けてもおかしくない年頃なのに。
それなのに彼は誰に頼ることも、甘えることも許さない。許されない。
『ゼロ』であり、『兄』であるが故に彼は逆に誰かに頼られ、多くのものを背負わなくてはならない。

「俺は事情を知っているからな…。君が、ゼロになった理由は理解できる。
 …嘘でも『ゼロ』がいなくとも大丈夫、と言えるだけの力が無いのが情けないな。すまない」

本当に、情けない。その背負ったものを放り出していいと、藤堂には言えない。
黒の騎士団は『ゼロ』なしでは成り立たないことを知っている。
団員達はルルーシュよりも年上の大人が大部分を占めているというのに、一番の重圧を背負うのはこの子供なのだ。
―――本当に、現状が歯痒い。

「……何故…」

ぽつり、とルルーシュが呟く。

「謝ることなんて…だって、俺は。俺は、お前達を利用して…!」
「だが、君は代わりに希望と勝利をくれた。これは利害関係の一致だ。…君に頼りきりの俺達に、君を責める権利なんてない」

そう言うと、ルルーシュの頭を撫でる。
その行動に目を見開いたルルーシュに、珍しく穏やかな笑みを浮かべて藤堂は告げた。

「よく、今まで一人で頑張った。これからは、俺も君の力になれるように努力しよう。だから、出来れば頼ってくれると嬉しい」
「………っ!」

ルルーシュはその言葉を聞いて、一瞬泣きそうな顔になったかと思うと、困ったような、それでいて嬉しさを隠し切れないような、そんな表情で笑った。
―――その笑みは、どこか庇護欲を誘うような、綺麗かつ可愛らしい笑みで。

そして直視した藤堂は頬を赤らめて暫し硬直した。
しかしルルーシュはそれには気付くことなく続ける。

「それは、心強い味方ですね。…信じても、いいですか?」
「……っああ。もちろんだ。その方が俺も嬉しい」

なんとか我に返ったものの、少々ぎこちなく返答した藤堂にルルーシュは不思議そうに首を傾げる。
藤堂は顔が赤いままルルーシュから思わず目を逸らし、軽く咳払いをして話題を変えることにした。

「そ、そういえば、結局あの歌はどういう歌なんだ?」
「ああ、あれですか。おれは、母上が現役の時に歌っていたものだそうです」
「…現役?」
「母上が、騎士候だったことはご存知ですよね?」
「『閃光のマリアンヌ』だろう?知っているが」
「あれは、誓いの歌なんです」

言って、ルルーシュは目を閉じる。

覚えている。自分のせいで死んだブリタニアの軍人を。騎士団の団員を。腹違いの兄を。巻き込まれた民間人を。
直接的にも、間接的にも、彼らの命を奪ったのは自分。それは事実であり、逃げるつもりも、許しを請うつもりもない。
前に、進み続けると。そう決めた。だから。

「母上は、『鎮魂歌』で『おまじない』の歌だと言いましたが、俺にとっては誓いの歌なんです。
 奪った命に捧げ、同時に自らが進み続けることを誓う歌。
 なんの贖罪にもなりませんが、俺にできるのはこのくらいですから。
 …母上も戦場に出るたびに歌っていたのだと言っていました」
「……そう、か」

ゼロも、何も感じていないわけではない。ゼロはゼロなりに命を悼んでいた。
ただ、リーダーとして在る限り、あまりそういう面を表に出すわけにはいかなかっただけで。
できることなら、彼を支えたいと。藤堂は改めてそう思う。

「ルルーシュ君」
「…なんですか?」
「俺は、君の傍に居る。裏切らないし、死なない」
「……ありがとう、ございます」

しかしこの不器用な子供はなかなか藤堂のことを頼ってくれそうにないのは、ただの思い過ごしだろうか。
とりあえず押し切ればなんとかなるか?などとちょっと不穏な事を考え、実行した藤堂の行動が功を為して、
その後騎士団で藤堂とゼロが2人でいる姿がよく見られたとかなんとか。



[私は死ねない。死ぬわけにはいかない。だから誓おう、この生あるかぎりお前達の“命”を謳い続けると!]

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初めまして。
初めまして。瑠衣と申します。

藤ルル、大好物です!!次は朝ルル!
最初にハマッたロイルルは三位になりました。
こんなに萌えるカップリングがあるなんて、ギアスにハマッた当初は知らなかったのです。

藤堂さんにとってルルーシュは、無条件で保護対象者なんじゃないかと思いたくなります。
藤堂さんや朝比奈さん、騎士団の皆に愛されていて欲しいです。
瑠衣 2008/05/26(Mon)16:36:30 編集
初めまして。
 こんにちは、初めまして。瑞樹と言います。今回藤ルル同盟様からお邪魔させていただきました。
 藤ルル小説素敵ですvv 谷かにルルーシュは華奢で庇護欲を誘う、綺麗で可愛いいですよねvv 思わず藤堂さんが見ほれて赤くなるのも仕方がないですv 
 ぜひ藤堂さんには傷ついたルルーシュを護って癒してもらいたいですv
瑞樹 2008/05/27(Tue)22:52:07 編集
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ゲームと読書が大好きです。

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