× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 ※人格が変わっている恐れがあります。苦手な方は見ない方がよろしいかと。 スザクに詰め寄った翌日、ミレイは礼拝堂に来ていた。 (授業サボるの、今日で何日目だったかしら…) ぼんやりと考える。ミレイが学校を休んだ日数、それは即ちアッシュフォードの主達が箱庭を去ってからの日数だ。 外では激しく雨が降り、時に雷が大きな音を立てている。 この箱庭は主達のために作られたものだったけれど、それはミレイにとっての楽園でもあった。 現在から記憶を辿っていけば、次々に浮かんでくるのはアッシュフォードの数々の失態。 行政特区日本の設立宣言。 一体、何処から間違えたのだろう。 分かっている。こんなことを考えても無意味なことくらい、ミレイだって。 『箱庭』は『箱庭』たる影も形も残っていない。あるのはただの、ただの『学園』だ。 (ねえ、知ってましたかルルーシュ様。アッシュフォードは、いいえ、少なくとも私とお祖父様にとっては、学園よりも貴方達の方が大事だったこと。貴方達がいたからこそ、私がこの学園が大好きだったこと。貴方達がいなければ、私にとってここに意味なんてないこと。知ってましたか) きっと、主達はこれ以上アッシュフォードに迷惑をかけまいと、そう思って黙って此処を去ったのだろう。 7年間。たった、7年間だった。 (一緒に連れて行って欲しかった、っていうのは、私の我が儘なのかしら…) 確かにこの日常も好きだったけれど、そんなもの主達に代えられるはずがないのに。 だが例え2人が思いやりからその手を離したのだとしても、アッシュフォードは、ミレイは、2人に切り捨てられた。それが事実だ。
「……きっと、2人とも、怒るんでしょうね…」 伏せられた顔には、困ったような、それでいて泣きそうな表情が浮かべられている。 「ごめんね。私、やっぱり赦せないの。だから、」 主達はここにはいない。だからミレイはせめてもの代わりに、“神”の前で宣言してみせる。 「スザクを―――殺すわ」 しんと静まっている礼拝堂の中とは対称的に、雨の音がいっそう強くなった気がした。 「ユーフェミア様は少し難しいかもしれないけど、出来る限り頑張ってみようと思うの。『お飾り』だから、隙もあると思うし」 ひとつひとつ、その言の葉は紡がれていく。楽園を望み箱庭を壊した皇女殿下とその騎士への殺意を乗せて。 「私、黒の騎士団に入るわ。お祖父様には勘当でもしてもらうつもり。別にアッシュフォードを巻き込む気はないのよ。これは私の復讐だから。これでも貴方の騎士になるために、私頑張ってたのよ?体だって鍛えてたし、政治や戦略とかだって、勉強してた。だからきっと、スザクを殺せるわ」 笑みすら浮かべて、ここに明言してみせる。 任命されてなくとも、ミレイには箱庭の番人としての、守護者としての誇りがあった。 「絶対に、貴方達から平穏を奪った報いを受けさせてみせる」 別にミレイは赦しが欲しくて、礼拝堂でこんなことを言っているわけではない。 (そう、この罪だけは、誰にも―――――) 踏ん切りをつけるため、1度目を瞑り、息を吐き出す。 「ほう?なかなか面白い。なら私が許してやる」 誰もいなかったはずの背後から、声が掛けられた。 「騎士団に入りたいのだろう?なら私が許してやると言っているんだ」 かしゃり、と軽い音を立てて仮面が外され、長い髪が零れ落ちる。 「だがお前が望むなら、ゼロに取り次いでやろう。さあ、どうする?」 返す答えなんて、とうに決まっていた。
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