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静謐なる柩。
捏造満載コードギアスの自己満足二次創作サイト。現在休止中。復活は未定。
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※人格が変わっている恐れがあります。苦手な方は見ない方がよろしいかと。


スザクに詰め寄った翌日、ミレイは礼拝堂に来ていた。
一日の間を空けたとはいえ、スザクを見て『今までどおり』に接することなんて、できないと分かっていたからだ。

(授業サボるの、今日で何日目だったかしら…)

ぼんやりと考える。ミレイが学校を休んだ日数、それは即ちアッシュフォードの主達が箱庭を去ってからの日数だ。
そう、あの、学園祭からの―――行政特区設立宣言からの。

外では激しく雨が降り、時に雷が大きな音を立てている。
響き渡る轟きを聞いて、ミレイは思わず薄く笑みを浮かべた。まるで今のミレイの心境のようではないか。

この箱庭は主達のために作られたものだったけれど、それはミレイにとっての楽園でもあった。
主の婚約者には戻れないし、お嫁さんになることはできないけれど。それでも、一緒にいられて、嬉しかった。
主達が笑顔を見せてくれるたびに、幸せを感じた。その笑顔を作り出せたことこそがミレイの誇りだった。
ふたりを護ることこそが、ミレイの望みで、夢だった。
そしてこれからも護っていくのだと、当たり前にそう思っていた。だから、婚約だって受け入れたのに。なのに。

現在から記憶を辿っていけば、次々に浮かんでくるのはアッシュフォードの数々の失態。

行政特区日本の設立宣言。
なぜか学園祭に現れたユーフェミア。
ルルーシュの代わりにガニメデを操縦したスザク。
パーティに乱入してきた婚約者のアスプルンド伯。
枢木スザクの騎士任命。
転入してきた名誉の軍人。
大学に拠点を置く特派。

一体、何処から間違えたのだろう。
どれが無ければ、主はまだ箱庭に留まっていてくれたのだろうか。

分かっている。こんなことを考えても無意味なことくらい、ミレイだって。
「たら」「れば」は、もうマリアンヌ様が殺されたときに、無意味な言葉なのだと理解していたくせに。
だから、今度こそ。今度こそは、護り抜いて見せようと決めていたのに。

『箱庭』は『箱庭』たる影も形も残っていない。あるのはただの、ただの『学園』だ。

(ねえ、知ってましたかルルーシュ様。アッシュフォードは、いいえ、少なくとも私とお祖父様にとっては、学園よりも貴方達の方が大事だったこと。貴方達がいたからこそ、私がこの学園が大好きだったこと。貴方達がいなければ、私にとってここに意味なんてないこと。知ってましたか)

きっと、主達はこれ以上アッシュフォードに迷惑をかけまいと、そう思って黙って此処を去ったのだろう。
いっそ責めてくれればよかったのに。役立たずと、そう罵ってくれたらよかったのに。

7年間。たった、7年間だった。
それだけの間しか、もたなかった。
お2人がせめて成人するまで、それまではモラトリアムを楽しんで欲しかった。
しかしそんな願いすら、この世界は受け入れてはくれないのだ。
アッシュフォードは無力だから、力が無いから、そんなことすら叶えてあげられないのだ。
弱肉強食。それこそがブリタニアの国是だから。

(一緒に連れて行って欲しかった、っていうのは、私の我が儘なのかしら…)

確かにこの日常も好きだったけれど、そんなもの主達に代えられるはずがないのに。
でも主達は自分達のように喪わせたくないと、ミレイの手を離して行ってしまった。

だが例え2人が思いやりからその手を離したのだとしても、アッシュフォードは、ミレイは、2人に切り捨てられた。それが事実だ。


だから、ミレイは。

「……きっと、2人とも、怒るんでしょうね…」

伏せられた顔には、困ったような、それでいて泣きそうな表情が浮かべられている。
それでも、瞳には暗い焔が未だ爛々と宿り、揺らめいていた。

「ごめんね。私、やっぱり赦せないの。だから、」

主達はここにはいない。だからミレイはせめてもの代わりに、“神”の前で宣言してみせる。
これは、制約。これは、誓約。故にミレイは明確に言霊に乗せて、告げる。

「スザクを―――殺すわ」

しんと静まっている礼拝堂の中とは対称的に、雨の音がいっそう強くなった気がした。

「ユーフェミア様は少し難しいかもしれないけど、出来る限り頑張ってみようと思うの。『お飾り』だから、隙もあると思うし」

ひとつひとつ、その言の葉は紡がれていく。楽園を望み箱庭を壊した皇女殿下とその騎士への殺意を乗せて。

「私、黒の騎士団に入るわ。お祖父様には勘当でもしてもらうつもり。別にアッシュフォードを巻き込む気はないのよ。これは私の復讐だから。これでも貴方の騎士になるために、私頑張ってたのよ?体だって鍛えてたし、政治や戦略とかだって、勉強してた。だからきっと、スザクを殺せるわ」

笑みすら浮かべて、ここに明言してみせる。

任命されてなくとも、ミレイには箱庭の番人としての、守護者としての誇りがあった。
だから負けたりなんかしない。だって私は、あんなカタチだけの主従なんかと違うから。負けて、たまるもんですか。

「絶対に、貴方達から平穏を奪った報いを受けさせてみせる」

別にミレイは赦しが欲しくて、礼拝堂でこんなことを言っているわけではない。
何故ならこの罪こそが、今は断ち切られてしまった主達との唯一の絆なのだ。
例えそれがミレイが一方的に『主達のため』の行動だと騙っているのだとしても、それでも。

(そう、この罪だけは、誰にも―――――)

踏ん切りをつけるため、1度目を瞑り、息を吐き出す。
巡る想い出達には見ないふりを。ミレイ・アッシュフォードは、ここに置いていく。これから動くのは、ただの『ミレイ』だ。
そしてゆっくりと目を開き、顔を上げて踵を返そうとしてその時、雷の光で視界が一瞬真っ白に染められたかと思うと――

「ほう?なかなか面白い。なら私が許してやる」
「っ!?」

誰もいなかったはずの背後から、声が掛けられた。
聞き覚えのある、機械ごしの音声。振り返れば、このエリア11で知らぬ者のいない、黒き反逆者の姿が在った。

「騎士団に入りたいのだろう?なら私が許してやると言っているんだ」
「……あなた、は…」
「ふふ、ゼロではないさ。残念ながらな」

かしゃり、と軽い音を立てて仮面が外され、長い髪が零れ落ちる。
ゼロの衣装を纏うその女の黄金の瞳が、猫のように細められてミレイを見据えた。

「だがお前が望むなら、ゼロに取り次いでやろう。さあ、どうする?」

返す答えなんて、とうに決まっていた。

 


 


(激しい雷鳴、浮かび上がる人影。
 いつの間にか祭壇の奥には『仮面の男』が―――否、緑髪の魔女が立っていた)

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仮面の男が・・・
魔女になってた!Baroqueの歌詞を思い出しながら読んでたので、きっとルルが迎えに(仮面の男だから)・・・とおもったら、CC様でした。意外な印象を受けましたが、展開的に有りだな!と思いました。次はエルの肖像。良い意味で期待を裏切られる彩霞さまの次作を楽しみにしております!!
イザヤ 2008/07/03(Thu)00:23:56 編集
無題
シリアスだなあ、ルルーシュの「ぶっ壊す」を彷彿とさせるミレイさんの宣誓・・・
でも気になったのはCCなぜにゼロ姿?(笑)
あ、わかった!!チーズ君回収だ!それでチーズ君置いてきたルルへの抗議に見つかったらヤバイゼロ姿でw
そしてこの後、結果はともあれミレイさん誘った事に対してルルーシュから「暫くピザ禁止」されますねwもう暫くしたら騎士団解散でミレイさん追いかけてくる事出来なくなってたかも知れないんですし
そして今回ばかりは庇ってくれないナナリー(笑)
ちなみにナナリーは、勝手にCCの二期パイスーかそれの色違いとか妄想してますが、髪型はどうなんでしょ?ツインテールかマリ様と一緒か・・・
無名祭祀者 2008/07/03(Thu)01:10:44 編集
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