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すいません 大 暴 走 しました!でも実は反省してな(ぉぃ
HI-Littl Star の臣さまの短編藤にょたルルにときめいてしまって。 婚約者とか、婚約者とか!可愛いですもう藤堂さんってばロリコン!(何) で、ちょっと書いちゃいました。 今思えば藤堂さん救助のシーンでルルが藤堂さんを怒るシーンは多々あれど、逆に藤堂さんがルルだと見破って怒るのは見たことないなと!(そりゃあな!) やっちゃった感がありますが、初めに言ったとおり反省はしてな(強制終了) 臣さまの小説の続編というべきか、派生というべきか。 でも勝手に書いちゃったので、臣さまから駄目出しあれば即下げます。 ところどころ設定とか過去シーンの台詞とか借りちゃいました。すいません。 そんなわけで臣さまに捧げちゃおうと思います! ぶっちゃけ彩霞は捧げモノ初めてなのでどうしたらいいかわかりません! メールですか、メールで送ればいいんですか!? ええとそんなわけで!臣さまよろしければどうぞ!相互記念ということで。(遅) ちなみに返品も削除も可ですのでご遠慮なく。何も分かってない素人でホントすいません。 …うぅ、事前にやっぱり質問にいくべきだったですかね……orz 「行政特区日本の設立を、宣言します!」 湧き上がる歓声。『イレヴン』となっていた者達を中心に、爆発的にざわめきは音量を増した。 立場の違いを、見せ付けられるようで。お前など所詮ただの生きた屍でしかないのだと。所詮ゼロなど光にはなりえないのだと! 頬を軽く紅潮させて、ユーフェミアは歓声に応え、行政特区について説明していく。 しかし、彼女は気付いているのだろうか。 そして、この学園でさえも『イレブン』の存在を認めようとはせず、今も冷めた目でユーフェミア達を見てる者がいることに! (……いつまでも、この場にいるのは得策じゃない)
「……おにい、さま」 最初はまだ落ち着いていたが、感情が高ぶったのか、ナナリーの声はだんだんとヒステリックになっていく。 「ナナリー。大丈夫。大丈夫だから、俺が、ちゃんと護るから、だから」 ルルーシュは一瞬表情を凍らせた。盲目であるナナリーは気付かない。 「ごめんなさいお兄様、ナナリーは悪い子です。ホントは、他の人なんてどうでもいいんです。お兄様さえいるなら、それでよかったんです。もう、我が儘言いません。『やさしいせかい』が欲しいなんて言いません。だからお願いですお兄様、ずっと、ずっと一緒にいてください!」 もちろんだよ、と声をかけてやりたかった。かけようとした、その時。 契約。 拘束された少女。交わした契約。殺した義兄。黒の騎士団。ユフィの騎士になったスザク。 ぐるぐるといろんな光景が頭を駆け巡って、声が喉に張り付いて、カタチにならない。 「おにい、さま?」 なんとか搾り出し、いつも通りにかけた言葉は、あっけなく見破られた。 「お兄様、ダメですよ。嘘ついたら。私、分かってます。分かってるんです、お兄様が、私を置いていこうとしてること」 ―――気付いて。 できることならナナリーの願いは叶えてやりたい。もちろんルルーシュだってナナリーの傍にいたい。 「『契約』してしまったから。そう思っているんでしょう?」 ひぅ、と息を呑んだ音がやけに大きく聞こえた。 「ナナリー、どうして知って…」 ナナリーの両目からぽろぽろと涙が流れる。何時の間にか、その瞼は開かれ、薄い菫色の瞳が露になっていた。 「……俺は、ゼロだよ」 いやいやと子供が駄々をこねるように、頭を振ってナナリーはルルーシュにしがみつく。 懐かしさと同時に、これは何を言っても聞かないだろうという諦観の念が湧き上がる。 「…わかった。ナナリーがそう望むのなら、俺はそれを叶えるよ。―――ずっと、一緒にいるよ。俺の大事な、たったひとりのお姫様」 優しく、籠められるだけの愛情を籠めて。囁けばナナリーは泣くのをやめて、ほっとした顔つきでルルーシュを見上げた。それでも、決して離れまいと言わんばかりに、しっかりとルルーシュにしがみついたままだ。 ナナリーの頭を撫でて、ある程度これからの展望を考えていたルルーシュはぽつりと呟きを落とした。 「アッシュフォードには、悪いことをするな…ここまで、力を尽くしてくれたのに」 だからこそ、自分達は参加できないというのに、あの真っ白な義妹は理解してくれないだろう。 ―――どちらにしても、もう『ルルーシュ』と『ナナリー』がこれから関わることなんて無いけれど。 「…なにか、持って行きたいものはあるかい?」 未だに喧騒が収まらない学園。太陽の光に眩しく照らされて、誰もが楽しそうな表情で。 そう、アッシュフォードもいつまでも自分達のような、落ちぶれた皇族なんかを気にかける必要なんてない。 裏なんてない笑顔。 友達ができた。先生に怒られた。授業をさぼった。お菓子をもらった。お茶会をした。イベントを楽しんだ。 何の策謀も絡まない、ルルーシュとナナリーが密かに続けばいいと願っていた『平和な日常』。 「さようなら、大好きでした。幸せでした。今まで、ありがとうございました」 「さようなら、私達の『箱庭』」「さようなら、俺達の『箱庭』」
波乱の学園祭宣言。 ―――また、今日も。学園の副会長とその妹の姿を見た者は、いなかった。
教室、はずれ。 それじゃあ、今度は。 ロロはゆっくりと、音を立てないように気をつけながら階段を上り、そっと入り口から様子を伺う。 いた。 鐘楼塔の最上階、ぼんやりと風景を眺めているルルーシュ――『兄さん』。 「兄さん!」 ルルーシュは驚いたようで少しよろめいたが、そのまま戸惑ったようにロロへと視線を向けた。 「わ、どうしたんだロロ?急に抱きついたりなんかして」 ロロは思わず眉を顰めた。 おかしい。確か『ルルーシュ・ランペルージ』の妹『ナナリー・ランペルージ』は目と足が不自由なため、こういった行動には出れないはず。 「…もしかして、枢木スザク?」 今もしそんなことされたら反射的に手を叩き落してしまいそうだし、気をつけないとな。 てっきり奴かと思ったのだけれど、違うらしい。いつも未練たらたらの様子でロロ達『兄弟』の様子を見ているから、そうだと思ったのに。 「…『も』?他に抱きついてくる人なんているの?――あ、もしかして」 ムッとした様子を隠そうともせずにいれば、ルルーシュは苦笑して優しく頭を撫でてくれる。 まがりなりにも監視役とはいえ、一年間傍にいたのだ。 そんな思惑があるなんて知らないルルーシュは、苦笑したまま続けた。 「お前の知らない人だから、だよ」 ぱちぱちと目を瞬く。 「……黒の騎士団?」 いやでも、騎士団はゼロの正体知らないんじゃ。 困惑しつつ、おそるおそるルルーシュに問いかける。 「…『ゼロ』に抱きつこうとするような人がいるの?」 実はディートハルトとかいう変態もそんなことを企んでいるが、そこはカレンやC.C.達が頑張って撃退してるからルルーシュは知らなかった。 まあそんなことはおいといて。 「カグヤ…ああ、イレブンのお姫様だったっけ?ブラックリベリオンの時にいたよね。ちょっと映像に映ってた」 『僕の』兄さんだもんね!と続く言葉は言わなかった。うん、伏せた。 内心ロロがガッツポーズを決めているとは露知らず。 ルルーシュの方からなんか幸せオーラが漂ってくる。 学園の生徒達からよく羨まれるが、特に最近転校してきたナイトオブセブンがよく向けてくる嫉妬の目が心地いい。 さてさて、もちろんそんなことを腕の中の弟が考えてるなんて思いもしないルルーシュ。しかしここでうっかり爆弾を投下した。 「結構人の体温って落ち着くだろう?俺もよく抱きつかれたり…その、抱きしめてもらってたりしてたから。なんか、安心するというか」 ぴき、と空気が凍る音がした。 「………誰に?」 ちょっと行ってサクっと殺ってくるからさ☆とは言わない。言わないけど。でもその羨ましい奴絶対 コ ロ ス ! そして笑顔の圧力に負けたのか、ルルーシュは相手の名前を教えてくれた。
今の状況を簡潔に述べよ。 「…ってオイっ!?何時の間にコイツこんなとこまで入ってきてんだよ!?」 動き出した団員たちにも、少年は笑顔のまま全く動じない。 「てめ、馬鹿にしてんじゃねえぞっ!」 その笑みをどう受け取ったのか――少なくともいい意味ではないだろう――短気な玉城が少年に殴りかかる。 だが、ふと気がつくと。 「なっ!?」 逆に玉城の首筋にひたりとナイフが当てられていた。 「さっさと『省吾さん』を出してください。この人殺しますよ?」 笑顔のまま殺人予告をする少年に玉城はもはや半泣きで周りのメンバーに助けを求めるものの、誰もが動けない。てか『省吾さん』って。『省吾さん』ってまさか。 膠着した状況の中、グッドタイミングというべきか、バッドタイミングというべきか。 「………っ!?」 明らかに異常な状況を見て、誰もが目を瞠り、表情を険しくする。 「え、何。何で俺見るの!?言っとくけど俺、そこの彼と面識ないからね!?」 呟いて、少年はものすごくイイ笑顔を浮かべた。 「死んでくださいっ☆」 動揺しつつも朝比奈は応戦しようとして、そして何故か一瞬で少年は目の前に――― 「―――――C.C.!?」 少年のナイフを持つ手は、C.C.によって抑えられていた。 「………『魔女』…っ!邪魔しないでくれる!?」 C.C.に譲る様子は見られない。 「…僕は、ロロ・ランペルージ」 ざわり、と周囲がざわめく。 ルルーシュ・ランペルージ。幹部メンバーとは一通り面識がある。 また、他の者とは違う意味で訝しく思ったのが4人。事情を知っている、C.C.、カレン、藤堂、朝比奈だ。 「『ルルーシュ・ランペルージ』に弟はいないはずだけど?いるのは妹だけだよ」 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアなら、話は別ですけどね? (こいつ、知って…!?) ちょっと待て何だその理由!? 「本当に弟かどうかもわかんないような奴に言われたくないね!だいたいるーくんは俺のなの!勝手なこと言わないでよね!」 普通に返すな朝比奈――っ!? 緊迫感溢れる空気はここにきてなんだかグダグダになりつつあった。シリアスは何処へ行った。 「うるさいな!兄さんが弟だって言ってくれたんだから僕は弟なんだよ!」 時が止まった。 「つまり、ゼロってあのボウヤだったわけぇ?」 思わぬところで判明したゼロの素顔。そうか彼が。――その正体に関して思うことは人それぞれのようだ。 「どうするのよ収拾つかなくなっちゃったじゃないのC.C.!?」 そんな感じでなんか本人の知らぬ間にゼロであることがバレたが、なんかいい方向に行っているようだ。よかったねルルーシュ! 「……まあ、この展開は予想外だったけど。とりあえず死んでくれないかな『省吾さん』」 2人の周囲はもはや氷点下。幻覚だろうか、なんだか間にバチバチいってるナニカが見える。 「…ねえ、あの…ロロだっけ?さっきあいつが監視とか言ってなかったC.C.」 ぼそぼそ聞こえてくる会話の内容と現状のあからさまな齟齬に何か思わないでもない。とりあえずそれでいいのかブリタニア。 とりあえず団員たちはとばっちりを喰らいたくなかったので、そのすごいルルーシュことゼロを待つことにした。早く来ないかな!
さあ、メシアの御出座しだ!
コメントを予想以上にたくさんいただけたので、また半分も返信書けてません(汗)
よってお詫びにネタ投下。 9話は天子様が可愛かったです。冒頭の朝比奈さん藤堂さんラクシャータそして千葉さんのエプロンにときめき、ルルの悪役っぷりに大爆笑しました。そして「我が兄上」にも笑いました。シュナ様は別格ですか(笑) ニーナとスザクに関しては、批判入りそうなのでやめときます。 でもとりあえずニーナはもうちょっとTPO考えようね!スザク以上に空気読めなくなりつつあるよ! えーと、小話、ですけど。多分というか絶対異色CP。 女の子×ゼロ(ルル)ですけど、こんなの書くの私だけだろうなあ(笑) ちなみに神楽耶にはゼロバレ済みだと思ってください。 そういえばテストは散々でした。英語はギリギリ赤点免れました。平均点20近く下回ってたけど。 数学は…死にました。先生曰く「80がデッドライン。それ以外はいらん。どっか逝け」。無理でした。 それじゃあ、マイナーにもというか捏造にも程がありますが、それでもよろしければどうぞ! 「ゼロ!お前は、お前のやり方は間違ってる!そんな卑怯な方法で手に入れた結果に意味があると思うのか!?」 激しく戦いが繰り広げられている戦場。ランスロットから繋がれたオープンチャンネル。 不本意ながら、慣れていたのだ。学園でも、戦場でも、スザクによって声高に叫ばれる存在否定。 「ああ、それと紅蓮弐式は殿を。団員達の戦闘離脱が確認出来次第、我々も撤退――――」 ゼロの言葉が、止まった。 『ゼロ?どうかし…』 そして、無事に黒の騎士団は撤退した。 そう、例え敵将を仕留めたわけではなくとも、紛れもなくこれは騎士団の勝利だった。
彼に目覚めたセレナーデ
ゼロの無頼のコックピットが開く音が聞こえ、カレンは真っ先に駆け寄っていった。 「ゼロ、お疲れ様です!今日の指揮も、流石でした!被害も殆どありませんでしたし…」 惜しみなく向けられる賞賛の声。その場にいた団員達の殆どが尊敬と、いくらか縋るような崇拝が混じった目でゼロを見ている。 ゼロについていけば。 当然だ、そうなるようにしたのはルルーシュ本人。だからこそ、『ゼロ』は結果を出さなければいけない。 …そう、だからこそ。卑怯だといくらスザクに言われようとも、この道を違えるわけには、やり方を変えるわけにはいかない。 声をかけてきた者達に適当に返事を返し、ゼロはすぐにトレーラーの自分の部屋へと向かおうとした。 そして格納庫に背を向けようとしたゼロに、待ったをかけたのは朝比奈だった。 「そういえばゼロ、今日なんか途中で一回止まったよね?どうしたの?」 そう言われてしまえば、深く問うことはできない。 戸惑いつつも大人しく引き下がろうとするカレンの背後から、ふん、と鼻で笑う声が聞こえた。 「枢木スザクの言葉に、何か思うところでもあったのか?」 疲れたように、ゼロはその少女の名を呼ぶ。 「何を今更思ったかは知らんがな。アイツがいろいろ言い始めたのは今に始まったことじゃないだろう」 思い当たるところでもあったのか、あっさりと納得するC.C.の様子に、逆に納得がいかなかったのは団員たちだ。 「どういうことか、聞いていい?ゼロ、君は枢木の言葉の何処に反応したわけ?」 朝比奈が聞き返さなければ、おそらくそのまま流してしまっていただろう。 「……『思うところ』、か。そうだな、あえて言うならば」 ゼロらしくない、どこか諦めたようにも感じられる声。 「―――もしかしたら、私が生まれてさえ来なければ、母はしあわせだったかもしれない、と」 予想もしなかった言葉。 「母は、美しく、誇り高い人だった。だからこそあの男に目を付けられ、無理矢理孕まされた。その行為は母にとって酷い屈辱だっただろう。でもそれだけなら。もし『私』が生まれなければ、母はあんな所に留まらされることなどなかったかもしれない。…優しい人だったから、それでも私のことを愛してくれたが。きっと、私なんて生まれてこない方が―――」 ゼロが続く言葉を言わなかったのはおそらく意図的だろう。自嘲するかのように紡がれた言葉に、誰も何も言えなかった。 「あの、ゼロ!その…」 心配してくれているのだろう。慌てて何か言おうとするカレンに、気にするなと告げる。 そう、気にする必要なんてない。ただ『今日』だったから、動揺を露にしてしまっただけのこと。 「―――今日は、“殺された”母の命日だったから、な」 やはり、誰も何も言えなかった。
「……るーくん」 ゼロの部屋。入室にパスワードが必要なこの場所に勝手に入ってくることができるのは、自分と共犯者の少女、そしてもう1人。 「…省吾さん、重いから急に抱きつかないで下さいと何度言ったら……」 朝比奈はゼロを…否、ルルーシュをぎゅうっと抱きしめたまま、言葉を続けた。 「あんなクソガキが何言おうと、それは事実だよ。変わりない、事実だ。るーくんは、此処にいていいんだよ。生きてていいんだ。ううん、俺が生きてて欲しいんだ。だから、るーくん…」 ああ、なんでこうも上手く言えないんだろう。 大切なのだと。大好きなのだと。そう、朝比奈が想っていることを、感じてくれれば。 ルルーシュは暫く沈黙していたが、今まで仕事をしていた机の方から立ち上がり、朝比奈をくっつけたままベッドに移動した。 ぽかんとした表情を浮かべる朝比奈に、ルルーシュは抱きついたまま拗ねたように顔を背けた。 「……どうせ、あのままの体勢でも疲れますし、省吾さんは離れる気、なかったでしょう」 そう言ってぴったりくっついてくるルルーシュだが、態度とは裏腹にその手にはあまり力が籠められてはいない。多分、振り払おうと思えば振り払える。よく見れば、手が微かに震えていた。 おそらくこれは“拒絶されること”を前提とした、その上での甘えだ。 それでも、おそるおそるでもルルーシュから伸ばされた手に、少し頬が緩む。多分朝比奈は結構締まりがない表情をしているだろう。 枢木スザクは――唯一その可能性はあったが、今は敵。 つまり、ルルーシュがこうして『弱さ』を見せたのは、朝比奈が初めてだ。…あのC.C.とかいう少女はどうだか知らないが。明らかに甘えることに慣れていない様子からもそれが伺える。 つまり、それって、やっぱり。 「~~~~~~~るーくん大好きっ!」 朝比奈は思いっきりルルーシュを抱きしめ返した。驚いた声が聞こえるけど気にしない。 だって、それはつまり、ルルーシュの中で朝比奈が紛れも無く『特別』だということだ! 基本的に朝比奈が何をしても苦笑して許容してくれるルルーシュだが、もともとルルーシュの性格からして寛容だったので、あまり自分とルルーシュが仲のいい証明にはならなかった。 でも今の状況はどうだ。ルルーシュは、朝比奈に甘えて、頼っている。―――朝比奈、だけに。 「……省吾さんは、あったかいですよね。なんか、落ち着く…」 こわごわとしていたルルーシュも、手を振り払われなかったことでだんだん安心したのか、気持ちよさそうに猫のように目を細めて朝比奈に擦り寄ってくる。 (……俺だけのモノにならないかなあ) 密かに朝比奈は思ったが、表には出さなかった。人間の欲は無限なのだから、満たされればまた次が欲しくなるのは当然だ。 「ねえ、るーくん。俺思うんだけどさ。多分、間違わない人間なんていないんだよ」 ルルーシュの体がぴくりと反応した。朝比奈は続ける。 「俺だって、今は藤堂さんのこと尊敬してるし、大好きだけどさ。でも最初は目の敵にしてなにかとつっかかってたんだよ?」 ルルーシュの傍にいると言いながら第3皇女の騎士となり、ルルーシュを護ると言いながら傷つけ続ける矛盾したスザク。 それを朝比奈は口にしようと思ったが、やめた。ぶっちゃけ朝比奈にとってスザクはどうでもいいのだ。 ―――そして今。朝比奈がルルーシュにとって『特別』だと分かった今。 藤堂鏡志朗は全てにおいて朝比奈に『勝った』。故に朝比奈は藤堂を慕う。 だが、枢木スザクは朝比奈が興味を持つにふさわしいものを何一つ持たず、示していない。 「……そもそも?」 やっぱり俺のモノにしたいなあ、とそんな言葉は伏せておいて。 離れるころには、ルルーシュも『いつも通り』に戻れていたのは言うまでも無い。
…あれ?いやでも、るーくんの為にも理解者はいた方がいいのに。 ――――あ、もしかして、俺) |
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