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静謐なる柩。
捏造満載コードギアスの自己満足二次創作サイト。現在休止中。復活は未定。
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「お待たせしました。出来ましたよ」

調理場から出てきたルルーシュがにっこり笑って告げた言葉にラウンジで待っていた面子から歓声があがる。
後から続いて出てきた千葉が持っている蒸し器を机に置くと、あっという間に周りに人が集まった。

「そういえば千葉さん、次からは1人で出来そうですか?」
「う・・・す、少し不安だが・・・なんとか出来ないことはないと思う」
「そうですか・・・にしても驚きました。いきなり和菓子の作り方を教えて欲しいだなんて」

蒸し器の蓋を開けていきながらルルーシュが言う。千葉はすこし口元を緩めて「感謝している」と告げた。
露になった蒸したてでほかほかと湯気をたてている饅頭にいっそう大きく歓声があがった。

 

これも日常

 

「にしても・・・」

そこで朝比奈は言葉を切り、饅頭を見る。同様に居合わせたメンバーも見る。
何を言わんとしているのかは丸分かりだったので、千葉は怒りと羞恥に顔を紅く染めた。

「し、仕方ないだろう!初めて作ったんだから。それにこれでも上手い方だとランペルージだって言って・・・っ」
「るーくんってばお世辞上手いねえ。どっちがるーくん作でどっちが千葉作かも一目瞭然なのに」
「だ・ま・れ!朝比奈!!!」

確かに形とか膨らみ具合、色艶などあらゆる点で明らかにルルーシュが作った饅頭の方が上だった。
千葉が作ったものも下手ではないのだが、残念ながらルルーシュが作ったものと並べると見劣りしてしまう。

だが千葉だって初めて作ったのに!頑張ったのに!なのにこの男はあああぁぁああああ!!!

千葉が感情のままに朝比奈の胸倉を掴み上げがくがくどころかぶんぶん揺らし、だんだん気持ち悪くなってきた朝比奈の悲鳴が上がる。無視された。

ルルーシュはその様子を見て溜息をつき、額を押さえた。省吾さんてば余計なこと言うから。

さてそんなこと知るかとばかりに饅頭をばくばく食べている他のメンバー達も、やはり食べるなら美味しそうな方を食べたいのか、我先にとルルーシュが作ったものへと手を伸ばす。
そんな中、ルルーシュは少し歪な饅頭に手を伸ばし、はぐっと口に含んだ。

そしてなんかもう吐きそうな顔してる朝比奈を未だに揺さぶっている千葉を向いてにっこり0円なロイヤルスマイル。

「千葉さん、千葉さんが作ったお饅頭、美味しいですよ。上出来だと思います。お世辞なんかじゃないですよ」

ぴたりと動きを止めた千葉は朝比奈をそこら辺に放り出し、ちょっと照れくさそうに、でも安堵した表情で微笑んだ。

「そ、そうか・・・?それならよかった」
「大丈夫ですよ。むしろ初めてにしてはとっても上手く出来てますから。そういえば、すごく気合入ってましたよね。誰か渡したい人でもいらっしゃるんですか?」
「え、あ、い、いや。私は別にそんな・・・///」
「あのねーるーくん。千葉さんはねー」
「貴様は黙ってろっ!!」

そして復活した朝比奈に繰り出される容赦ない右ストレート。次の光景が目に浮かぶようで、思わずルルーシュは目を瞑った。しかし予想外に響いてきたのはバシッという音と周りの感嘆の声。

「・・・・・・真剣白刃取り?」

誰かの声がぽつりと響く。いや全く真剣でも刀でもないけど。でも威力はそれに近いか?

ぎりぎりぎりと力が拮抗しているのか、どちらもそのまま睨みあっていたが、ふとルルーシュに視線を向けた朝比奈が目を輝かせる。

「わ、るーくんそれかわい」
「隙ありぃ!!」
((((伝説の左っ!?))))

朝比奈を吹っ飛ばした左手の拳を見て、遣り合っていた2人以外の心が一つになった瞬間だった。
だれも朝比奈を心配していないあたり信用してるのか薄情なのか。

とりあえず1人だけ(え、あれ?今の俺のせい?)とちょっとした混乱状態に陥っていたルルーシュは床に転がっている朝比奈に駆け寄ってみる。

「しょ、省吾さん?大丈夫ですか」
「うわーん・・・千葉さんがいじめるよー、るーくん」
「・・・・・・うわーんって。省吾さん、自分の年考えてください」
「ヒドっ!?え、俺そんなに年とってないと思うんだけど」
「・・・・・・・・・・・・」
「なにその可哀相なモノ見るような目!?るーくんの馬鹿!でも好き!」
「あー、はいはい。で、さっきのは一体何だったんです?」

さらりと適当に流したルルーシュに朝比奈は不満そうである。でもルルーシュは気にしない。だって慣れてるから。

「さっきのって・・・俺が千葉さんの伝説の左をまともにくらって吹っ飛ばさ」
「いやそうじゃなくて。俺のほう見て何か言ってませんでした?」
「え・・・ああ!それね。別に大したことじゃないんだけどー」

へらりと笑みを零した朝比奈に、ルルーシュも笑みを浮かべる。もちろん皇室仕込みのロイヤルスマイルだ。本日二回目です。

「その大したことないことのために左アッパーくらったんですか?物好きですね。省吾さんもしかしてMですか?」
「いや違うから。お願いだから満面の笑みでそんな不名誉な疑惑かけないで!そんな趣味ないよ!」
「まあそんな冗談は置いておいて。」
「冗談!?」
「それで結局何だったんです?」

こてんと首を傾げるルルーシュの後ろには面白そうに見物する騎士団幹部メンバーがズラリ。ルルーシュ作の饅頭は完売したのか、今は千葉が作った饅頭を取り合いながらじっと2人のやり取りを見ている。自分の饅頭を美味しそうに食べているのを見た千葉は心なしか嬉しそうだ。

「それ」
「?」

口を開いた朝比奈は、ぴっとルルーシュが持っている饅頭を指差した。

「るーくんって饅頭両手で持って食べるんだねー。小動物みたいでかわいいなあ」

にへ、と笑った朝比奈の言葉にルルーシュの持つ饅頭に視線が集まる。あ、ホントに両手で持ってた。
可愛いものが好きな女性陣はルルーシュが両手で持ったお饅頭に齧り付く様子を想像する。・・・・・・確かに可愛いかもしれない。それもかなり。

頬を染め、目を輝かせてルルーシュを見る女性陣と、ドンマイ的なちょっと生暖かい目でルルーシュを見る男性陣。
集まる視線に耐えられなかったのかふるふる震えていたルルーシュは、千葉と同様に朝比奈へと掴みかかる。

が。

あっさり腕を摑まれくるりと反転されると、いつものように後ろから朝比奈に抱き込まれる。じたばた暴れるが、貧弱なルルーシュの力では朝比奈の腕はびくともしなかった。

「あははー、るーくん相変わらず可愛いなあ。癒されるー」
「何言ってっ!ああもう放して下さい!はーなーせー!!」
「やだ」
「このっ・・・く・・・誰か助け、」

助けを求めて周りを見れば、誰もが子犬とかがじゃれてるのを見ているような目をしている。

「え、な・・・何だその目はっ!くそ、放せえぇぇええぇええ!!」

ルルーシュの叫びがトレーラーの中に木霊した。周りは微笑ましそうにそれを見ている。

―――騎士団は、今日も平和です。

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無題
こんにちは!お饅頭を送りたい千葉さんの相手は藤堂さんですかね?団員達がお饅頭を食べているのを見てホッとする千葉さん可愛いです。
それに、るー君お饅頭を両手で持って食べるのですねv癒しだなぁ。もしかしたらイチゴも両手(両指)で持って何回かに分けて食べるのかも(希)可愛い過ぎる~!!
臣近 2008/08/17(Sun)09:16:18 編集
ありがとうございます
こんにちは、綾霞さま。
両手でおまんじゅうを食べるるーくんにものすごく癒されました。最近のギアスはドキドキハラハラるーくんの不遇っぷりに涙してましたが、かわいい光景を思い浮かべるだけで幸せ気分です。
きっと一口サイズのおまんじゅうもちまちま食べてくれることでしょう(笑)
とてもほのぼのとしたお話ありがとうございました。
朔夜 2008/08/19(Tue)14:47:36 編集
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