× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「行政特区日本の設立を、宣言します!」 湧き上がる歓声。『イレヴン』となっていた者達を中心に、爆発的にざわめきは音量を増した。 立場の違いを、見せ付けられるようで。お前など所詮ただの生きた屍でしかないのだと。所詮ゼロなど光にはなりえないのだと! 頬を軽く紅潮させて、ユーフェミアは歓声に応え、行政特区について説明していく。 しかし、彼女は気付いているのだろうか。 そして、この学園でさえも『イレブン』の存在を認めようとはせず、今も冷めた目でユーフェミア達を見てる者がいることに! (……いつまでも、この場にいるのは得策じゃない)
「……おにい、さま」 最初はまだ落ち着いていたが、感情が高ぶったのか、ナナリーの声はだんだんとヒステリックになっていく。 「ナナリー。大丈夫。大丈夫だから、俺が、ちゃんと護るから、だから」 ルルーシュは一瞬表情を凍らせた。盲目であるナナリーは気付かない。 「ごめんなさいお兄様、ナナリーは悪い子です。ホントは、他の人なんてどうでもいいんです。お兄様さえいるなら、それでよかったんです。もう、我が儘言いません。『やさしいせかい』が欲しいなんて言いません。だからお願いですお兄様、ずっと、ずっと一緒にいてください!」 もちろんだよ、と声をかけてやりたかった。かけようとした、その時。 契約。 拘束された少女。交わした契約。殺した義兄。黒の騎士団。ユフィの騎士になったスザク。 ぐるぐるといろんな光景が頭を駆け巡って、声が喉に張り付いて、カタチにならない。 「おにい、さま?」 なんとか搾り出し、いつも通りにかけた言葉は、あっけなく見破られた。 「お兄様、ダメですよ。嘘ついたら。私、分かってます。分かってるんです、お兄様が、私を置いていこうとしてること」 ―――気付いて。 できることならナナリーの願いは叶えてやりたい。もちろんルルーシュだってナナリーの傍にいたい。 「『契約』してしまったから。そう思っているんでしょう?」 ひぅ、と息を呑んだ音がやけに大きく聞こえた。 「ナナリー、どうして知って…」 ナナリーの両目からぽろぽろと涙が流れる。何時の間にか、その瞼は開かれ、薄い菫色の瞳が露になっていた。 「……俺は、ゼロだよ」 いやいやと子供が駄々をこねるように、頭を振ってナナリーはルルーシュにしがみつく。 懐かしさと同時に、これは何を言っても聞かないだろうという諦観の念が湧き上がる。 「…わかった。ナナリーがそう望むのなら、俺はそれを叶えるよ。―――ずっと、一緒にいるよ。俺の大事な、たったひとりのお姫様」 優しく、籠められるだけの愛情を籠めて。囁けばナナリーは泣くのをやめて、ほっとした顔つきでルルーシュを見上げた。それでも、決して離れまいと言わんばかりに、しっかりとルルーシュにしがみついたままだ。 ナナリーの頭を撫でて、ある程度これからの展望を考えていたルルーシュはぽつりと呟きを落とした。 「アッシュフォードには、悪いことをするな…ここまで、力を尽くしてくれたのに」 だからこそ、自分達は参加できないというのに、あの真っ白な義妹は理解してくれないだろう。 ―――どちらにしても、もう『ルルーシュ』と『ナナリー』がこれから関わることなんて無いけれど。 「…なにか、持って行きたいものはあるかい?」 未だに喧騒が収まらない学園。太陽の光に眩しく照らされて、誰もが楽しそうな表情で。 そう、アッシュフォードもいつまでも自分達のような、落ちぶれた皇族なんかを気にかける必要なんてない。 裏なんてない笑顔。 友達ができた。先生に怒られた。授業をさぼった。お菓子をもらった。お茶会をした。イベントを楽しんだ。 何の策謀も絡まない、ルルーシュとナナリーが密かに続けばいいと願っていた『平和な日常』。 「さようなら、大好きでした。幸せでした。今まで、ありがとうございました」 「さようなら、私達の『箱庭』」「さようなら、俺達の『箱庭』」
波乱の学園祭宣言。 ―――また、今日も。学園の副会長とその妹の姿を見た者は、いなかった。
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政治って・・・
行政特区日本は政策としては不出来。と言うか完璧な失敗作ですよね。
明らかに失敗する事が解っていた政策。(一部それを理解していない人もいましたが) 失敗するにしても過程が正しければいいのか? 特区宣言は正しい手順なんかは全くありませんでしたけど。ルールとか手順とか一切合財無視した宣言だったのに。 その事に関してスザクは何も思わなかったのだろうか? …思わなかったんだろうな。普段「間違った過程で手に入れた結果に意味なんて無い!!」とか言っているのに。 政治は遊びでは無いんです。 その国には沢山の人達が生活していて、政治はその人達の為になせれていかないといけないんです。 ユフィのアレはダメです。 イレブン(日本人)の事を考えての政策だと言っていますが、本質で言えばユフィがルルーシュ達と一緒にいたいからと、そんな身勝手極まりない理由と皇族だという事だけで、ゴリ押しした政策なんですよね。 参加を促している騎士団に事前に交渉があった訳でもなく、それどころか総督であるコーネリアにすら全くの相談もなく、政治をしていく上で必要な議会にすら提出されていない案件です。 シュナイゼルにしか見せていない。 彼は「素晴らしいね、ユフィ」と言った。 おそらく、シュナイゼルは妹のユフィに言ったのだと。何が素晴らしいのかは解らないけれど。 政策なのか、理想なのか、それとも別の何かなのかは解らないけど。 ナナリーの為と言っていた。 ナナリーは「お兄様と一緒に居られれば」と。 それで何故【特区宣言】が出てくるのかは全く持って理解不能だが。 ユフィの中では確かにナナリーの為といえば、そうなのかもしれない。 ユフィには皇族としての権限がありますから。それを行使したに過ぎない。 でも、それがナナリーの意思の無い所の、ナナリーの気持ちを理解していないのだから、ユフィの独善である事には変わりは無い。 だから、「~の為」って言葉が簡単に言えるのだと思うのです。 人間はそんなに多くのものは持てません。 求める事は出来ても、求めたものを自分の腕の中に留めておけるかは全くの別問題だから。 これはルルーシュにも言える事だとは思いますが。 まぁ、長々と色々と書き綴ってみましたが、私は今も【行政特区日本】に関しては納得は出来ないという事を言いたかったのです。 前振りが長くて申し訳ないです。 ルルーシュの中ではランスロットのデヴァイサーを知った時と同じくらいの衝撃があったのではないだろうかと…。 |
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