× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 教室、はずれ。 それじゃあ、今度は。 ロロはゆっくりと、音を立てないように気をつけながら階段を上り、そっと入り口から様子を伺う。 いた。 鐘楼塔の最上階、ぼんやりと風景を眺めているルルーシュ――『兄さん』。 「兄さん!」 ルルーシュは驚いたようで少しよろめいたが、そのまま戸惑ったようにロロへと視線を向けた。 「わ、どうしたんだロロ?急に抱きついたりなんかして」 ロロは思わず眉を顰めた。 おかしい。確か『ルルーシュ・ランペルージ』の妹『ナナリー・ランペルージ』は目と足が不自由なため、こういった行動には出れないはず。 「…もしかして、枢木スザク?」 今もしそんなことされたら反射的に手を叩き落してしまいそうだし、気をつけないとな。 てっきり奴かと思ったのだけれど、違うらしい。いつも未練たらたらの様子でロロ達『兄弟』の様子を見ているから、そうだと思ったのに。 「…『も』?他に抱きついてくる人なんているの?――あ、もしかして」 ムッとした様子を隠そうともせずにいれば、ルルーシュは苦笑して優しく頭を撫でてくれる。 まがりなりにも監視役とはいえ、一年間傍にいたのだ。 そんな思惑があるなんて知らないルルーシュは、苦笑したまま続けた。 「お前の知らない人だから、だよ」 ぱちぱちと目を瞬く。 「……黒の騎士団?」 いやでも、騎士団はゼロの正体知らないんじゃ。 困惑しつつ、おそるおそるルルーシュに問いかける。 「…『ゼロ』に抱きつこうとするような人がいるの?」 実はディートハルトとかいう変態もそんなことを企んでいるが、そこはカレンやC.C.達が頑張って撃退してるからルルーシュは知らなかった。 まあそんなことはおいといて。 「カグヤ…ああ、イレブンのお姫様だったっけ?ブラックリベリオンの時にいたよね。ちょっと映像に映ってた」 『僕の』兄さんだもんね!と続く言葉は言わなかった。うん、伏せた。 内心ロロがガッツポーズを決めているとは露知らず。 ルルーシュの方からなんか幸せオーラが漂ってくる。 学園の生徒達からよく羨まれるが、特に最近転校してきたナイトオブセブンがよく向けてくる嫉妬の目が心地いい。 さてさて、もちろんそんなことを腕の中の弟が考えてるなんて思いもしないルルーシュ。しかしここでうっかり爆弾を投下した。 「結構人の体温って落ち着くだろう?俺もよく抱きつかれたり…その、抱きしめてもらってたりしてたから。なんか、安心するというか」 ぴき、と空気が凍る音がした。 「………誰に?」 ちょっと行ってサクっと殺ってくるからさ☆とは言わない。言わないけど。でもその羨ましい奴絶対 コ ロ ス ! そして笑顔の圧力に負けたのか、ルルーシュは相手の名前を教えてくれた。
今の状況を簡潔に述べよ。 「…ってオイっ!?何時の間にコイツこんなとこまで入ってきてんだよ!?」 動き出した団員たちにも、少年は笑顔のまま全く動じない。 「てめ、馬鹿にしてんじゃねえぞっ!」 その笑みをどう受け取ったのか――少なくともいい意味ではないだろう――短気な玉城が少年に殴りかかる。 だが、ふと気がつくと。 「なっ!?」 逆に玉城の首筋にひたりとナイフが当てられていた。 「さっさと『省吾さん』を出してください。この人殺しますよ?」 笑顔のまま殺人予告をする少年に玉城はもはや半泣きで周りのメンバーに助けを求めるものの、誰もが動けない。てか『省吾さん』って。『省吾さん』ってまさか。 膠着した状況の中、グッドタイミングというべきか、バッドタイミングというべきか。 「………っ!?」 明らかに異常な状況を見て、誰もが目を瞠り、表情を険しくする。 「え、何。何で俺見るの!?言っとくけど俺、そこの彼と面識ないからね!?」 呟いて、少年はものすごくイイ笑顔を浮かべた。 「死んでくださいっ☆」 動揺しつつも朝比奈は応戦しようとして、そして何故か一瞬で少年は目の前に――― 「―――――C.C.!?」 少年のナイフを持つ手は、C.C.によって抑えられていた。 「………『魔女』…っ!邪魔しないでくれる!?」 C.C.に譲る様子は見られない。 「…僕は、ロロ・ランペルージ」 ざわり、と周囲がざわめく。 ルルーシュ・ランペルージ。幹部メンバーとは一通り面識がある。 また、他の者とは違う意味で訝しく思ったのが4人。事情を知っている、C.C.、カレン、藤堂、朝比奈だ。 「『ルルーシュ・ランペルージ』に弟はいないはずだけど?いるのは妹だけだよ」 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアなら、話は別ですけどね? (こいつ、知って…!?) ちょっと待て何だその理由!? 「本当に弟かどうかもわかんないような奴に言われたくないね!だいたいるーくんは俺のなの!勝手なこと言わないでよね!」 普通に返すな朝比奈――っ!? 緊迫感溢れる空気はここにきてなんだかグダグダになりつつあった。シリアスは何処へ行った。 「うるさいな!兄さんが弟だって言ってくれたんだから僕は弟なんだよ!」 時が止まった。 「つまり、ゼロってあのボウヤだったわけぇ?」 思わぬところで判明したゼロの素顔。そうか彼が。――その正体に関して思うことは人それぞれのようだ。 「どうするのよ収拾つかなくなっちゃったじゃないのC.C.!?」 そんな感じでなんか本人の知らぬ間にゼロであることがバレたが、なんかいい方向に行っているようだ。よかったねルルーシュ! 「……まあ、この展開は予想外だったけど。とりあえず死んでくれないかな『省吾さん』」 2人の周囲はもはや氷点下。幻覚だろうか、なんだか間にバチバチいってるナニカが見える。 「…ねえ、あの…ロロだっけ?さっきあいつが監視とか言ってなかったC.C.」 ぼそぼそ聞こえてくる会話の内容と現状のあからさまな齟齬に何か思わないでもない。とりあえずそれでいいのかブリタニア。 とりあえず団員たちはとばっちりを喰らいたくなかったので、そのすごいルルーシュことゼロを待つことにした。早く来ないかな!
さあ、メシアの御出座しだ! PR この記事にコメントする
可愛い~vv
いやぁ~ロロの嫉妬は可愛いですね!
朝比奈さんのマイペースも素敵過ぎます。もう我が道を行くって感じで。 C.Cのうっかりでゼロバレしても騎士団に受け入れられて、知られたと知ったるーくんの驚きようはとっても可愛いと思います。これで騎士団の中にもるー君を思う人が増えたりして・・・v。 天然無自覚万歳。今後の展開が楽しみです! ちょっとブラコンが入ったロロにも萌えてしまいました。あぁ楽しすぎるこのシリーズ!
てんくす!!(ノ´∀`)ノ
まじでありがとー!!嬉しいぜよw
ロロ……、グッジョブだw 純真無垢で繊細なロロも好きだけど、若干小悪魔なロロも好きです。いや、もっと黒くたっていい!(何) 真っ黒に染まっていても、そこに愛があるのならば!← というか、ルルーシュがロロの髪を乾かし…… …やべ、妄想止まんね。 実際にそういうシチュが頭に浮かんできたよ。イラスト描いちゃおうかな…なんつって。 そのふわふわな努力の結晶、私にも触らしt(ry ロロルル、+るーくんシリーズ。両方の希望に応えてくれてありがとな! しかもさりげなくゼロバレ(笑) ロロvs省吾さん。勝つのはどちらだ… それは救世主(メシア)のみぞが知る。 |
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